二つの異なるデータの関係を簡易的に把握したい時、皆さんはどのようにグラフで示しますか?
この関係を数値ではなくグラフで視認しやすくするツールとして、QC7つ道具の散布図が挙げられます。
種類のデータの相関関係を見る事で、原因を検討したり、間接的に測定や管理する散布図はいったいどのように作り、活用していくのでしょうか。
今回は散布図の見方・メリットについて分かりやすくまとめていきたいと思います。
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散布図とは
身長と体重のデータをグラフにすると、身長が高い方が体重も重いという傾向が見られます。
これを適切な条件下でデータに整理しておけば身長・体重を両方図らなくても片方の結果からある程度の予測を立てることが出来ます。
このように対応する2種類のデータの変化をグラフにしたものを散布図といい、データ間の相関関係を知ることが出来ます。
ここで散布図のメリットについてまとめておきます。
【散布図のメリット】
1)要因の明確化
2)特性と要因の相関関係
3)条件の最適化
4)より最適な管理方法の選択
要因の明確化を行う際は、特性要因図を用いて要因の抽出を行います。1)要因の明確化
2)特性と要因の相関関係
3)条件の最適化
4)より最適な管理方法の選択
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この抽出した要因と特性と相関があればその要因が原因であると事が示唆されます。
またこの特性と要因間に相関がある時、散布図より最適な条件の把握を行うことが出来ます。
そして時間やコストがかかる管理方法に対して、強い相関があるなら、管理方法は容易という事を指し、変更するメリットが発生します。
散布図の作り方
散布図は以下の3ステップにより作成していきます。
1)データの収集
2)座標軸の作成
・項目軸の決定
・目盛りの決定
3)データのプロット
1)データの収集
30~50組以上の対となるデータを集めます。
データ数が少ない場合、点の傾向や散らばりの様子がつかめない場合があります。
2)グラフの座標軸の作成
①項目軸の決定
2種類のデータが「特性」「要因」の関係の時、特性を「y軸」に要因を「x軸」におきます。
特性×特性の場合、もしくは要因×要因の場合より特性に近い方を「y軸」、もう一方を「x軸」とします。
②メモリの決定
「y軸」のデータの最大値・最小値の差と、「x軸」のデータの最大値・最小値の差が、グラフ上で同じになるように目盛りを取ります。
目盛りのとり方を誤ると、散布図の見かけが変わってしまい、誤った判断に近づきます。
3)データのプロット
縦軸・横軸に対応するところにデータを打点します。
散布図の異常値の見方
散布図を活用するときは単に相関関係を見るだけでなく、異常値がないかの検討も行います。
まとまった個所から離れた孤立している点を見つけた場合、異常点である可能性が高いです。
この場合、異常点のデータを詳しく調査し以上の原因が分かったら、異常点を取り除きます。
確認できないときは孤立=異常と早急に決めつけず、異常点であろう原因を突き詰めてから判断を下します。
散布図の種類
打点の分布から相関があるかの判断を下します。
1)正の相関がある
強い右肩上がりの傾向を示します。基本的に右上がりの直線を示します。
xが要因でyが特性ならxを正しく管理すればyも管理することに繋がります。
*特性に影響を与えるのが要因です。特性要因図を要確認。
2)負の相関がある
強い右肩下がりの傾向を示します。基本的に右下がりの直線を示します。
xが要因でyが特性ならxを正しく管理すればyも管理することに繋がります。
3)相関なし
何も分布に傾向がなければ相関なしです。
xが要因なら要因を変更する必要があります。
4)もしかして正の相関
なんとなく正の相関を示している散布図です。
打点の分布が右上がりの楕円状になっています。
xが要因なら要因を変更し再度検討する事が必要です。
5)もしかして負の相関
なんとなく負の相関を示している散布図です。
打点の分布が右下がりの楕円状になっています。
xが要因なら要因を変更し再度検討する事が必要です。
6)無関係相関
相関がないと言われれば嘘になります。しかし検定では無視してOKです。出たとしても曲線関係があるを選択しましょう。
散布図と層別の関係
打点した時、いくつかのグループ別、傾向別に分けられそうなときは、そのブロック別に分けられそうなときは(設備・作業者)層別を行います。
層別する事により、以下二つの傾向が分かります。
【層別で分かる事】
①全体としては相関なし、層別すると相関あり
②全体としては相関あり、層別すると相関なし
①全体としては相関なし、層別すると相関あり
②全体としては相関あり、層別すると相関なし
上にあるグラフは全体としては相関はないように見えますが、層別すると相関が生まれる事が分かります。
上のグラフは色別で示しているので全体としても相関関係があると思いますが、同一色だ
と分かりずらいので見落とし注意になります。
一方こちらのグラフは色別すると明らかに相関があるように見えますが、実際層別してみるとこの散布図は「無相関」であることが分かります。
以上の事から、
まとまっている≠相関がある
の考えはミスを招くので、「正の相関」「負の相関」があるのかしっかり吟味していく必要があります。
散布図の偽相関とは?
【偽相関とは】
2変量間に相関がないにも関わらず、取り上げた要因以外の要因が関わり、見かけ上、相関があるように見える、誤った判断を引き起こす散布図
2変量間に相関がないにも関わらず、取り上げた要因以外の要因が関わり、見かけ上、相関があるように見える、誤った判断を引き起こす散布図
これは例を用いた方が理解が深まるかと思いますので「夏のビール売上の相関」を例に挙げて説明していきます。
駅前のコンビニで気温とビールの売上高に相関があるかどうか調査するため、気温15℃~25℃の間でデータを採取したところ、正の相関があることが分かったとします。
しかし実際は気温が高かった日はたまたま夏祭りが開催されており、駅前のコンビニでビールを買っている人が多かったことが分かり、気温と売上高には相関関係がなかったという事があったとします。
このような例も考えられるので、偽相関であるかどうか知るために、特性と要因の関係をよく調べておく必要性があります。
散布図の外挿とは?
【外挿とは】
散布図の結果から勝手に予想・想像を膨らませ解釈する事
散布図の結果から勝手に予想・想像を膨らませ解釈する事
例えば「車の値段」と「販売台数」の相関を例に挙げます。
販売価格が80万~150万までのこれらのデータを取ったとき、正の相関が得られたとします。
この事からそれ以降の価格も150万から200万、200万~300万においても正の相関があると結論付ける事です。
この勝手な思い込みが「外挿」という事になります。
散布図とQCストーリーの関係
QCストーリーは問題解決を手順化したもので、8つのステップに分類され、散布図が適応されるステップは「現状把握」「要因解析」です。
特に要因解析としての期待が大きくなっています。
この2か所で活用するのが散布図であり、QCストーリーの根本的問題を把握することは勿論、異常発生の確認がスムーズに行われます。
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QC検定における散布図攻略ポイント
基本的に散布図は関連のありそうな特性と要因を比較してとったデータをプロットしていきます。
一般的に、横軸に変数x、縦軸に変数yを用います。
この横軸x、縦軸yに関しては誰でも知っていることだと思います。
義務教育を終えている方ですとさすがにグラフは皆知っていますし、だからどうしたって思う事でしょう。
しかしQC検定では問われることがあります。
縦軸には( )を用いて横軸には( )
私はこういった問題に出会った時、当たり前すぎて「何か裏がありそうだ」と疑ってしまいました。
ですので当たり前のこともしっかり理解を深めておき、無駄な時間は取らないようにしましょう。
QC検定3級での散布図の出題内容としては、
- グラフがどんな相関があるか
- どうすれば正常になるか(層別は必要か)
ぐらいです。後意識したいのが基本的に軸には計量値が用いられます。
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なぜかというと「重量」「長さ」などそういったものを比較することが多いからです。
後で紹介する「相関分析」などでは散布図の計算問題は出てきますが単純に散布図を問われたらこれです。
4、まとめ
・特性と要因の関係を打点で表す。
*特性要因図との違いに注意
*特性要因図との違いに注意
・選択肢に計量値があったら注意
・6種類の散布図は最低限覚える
・二分化=層別
・層別すれば相関があるわけではない
・孤立点を見つけても異常点と決めつけない
・層別すれば相関があるわけではない
・孤立点を見つけても異常点と決めつけない
いかがでしたか?
今回は散布図についてご紹介させていただきました。
次回はグラフについてです。それでは!
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