QC検定3級のヒストグラムを徹底攻略~特徴や見方・作成手順について分かりやすく解説

2019年9月15日日曜日

QC7つ道具 QC検定

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ものづくりに携わるうえでデータのばらつきや工程能力を把握する事は極めて重要な事となります。


これらを適切に把握し処置する事でより良いモノづくりへとつながってきます。


このばらつきの管理や把握するtoolの一つとして、QC7つ道具の「ヒストグラム」が挙げられます。


ヒストグラムを活用していく事で規格値との関係・平均値・ばらつきなどを見ていく事で全体の傾向を知ることが出来ます。


本記事ではヒストグラムの特徴や見方、作成手順に触れていく事は勿論、QC検定3級における「ヒストグラム」の攻略ポイントについてもまとめていきます。


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ヒストグラムとは 




ヒストグラムとは度数分布を柱上に示したものです。グラフは縦軸に度数、横軸に計量値を用います。


基本的に何かをしたとき、何かを作った時、ばらつきというものから逃れる事は基本的には不可能です。


そのばらつきというのが管理されている範囲内であれば問題はありませんが、もし範囲外であるならば要改善という事になります。


そこでこのばらつきを把握するtoolの一つとして「ヒストグラム」を活用していきます。





形としてはこのような山型になっていることが多く誰もが一度は目にしていると思います。


ここで一度JISにおけるヒストグラムの正式な定義をまとめておきます。


ヒストグラム【JIS Z 8101-1】
計量特性の度数分布ののグラフ表示の一つ。測定値の存在する範囲をいくつかの区間に分けた場合、各区間を底辺とし、その区間に属する測定値の度数に比例する面積を持つ長方形を並べた図


上記が正式な定義ですが少しわかりずらいかと思います。


ですので私なりにまとめたヒストグラムの定義を下に示します。

ヒストグラムとは
数値データを図形で表し、ばらつき・平均・分布の形状・全体の傾向を分かりやすく可視化する事で、その物の異常についての手がかりを簡易的に得る事が出来るQC手法の一つ

ヒストグラムは言語データではなく数値データを利用します。


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ヒストグラムの特徴



ヒストグラムは先ほど「数値データを図形で表し、ばらつき・平均・分布の形状・全体の傾向を分かりやすく可視化する事で、その物の異常についての手がかりを簡易的に得る事が出来るQC手法の一つ」というように述べました。


さらに簡潔にまとめるとヒストグラムは規格上限値と規格下限値を設けて、その規格内であれば「良品」。規格外であれば「不良品」を一目で把握できる「シンプルかつ効率的に問題を認識」出来るtoolとして品質管理において重宝されています。


さてそれでは正確にはどういった場合が「異常・不良品」になるのでしょうか。



ヒストグラムには「上限規格」と「下限規格」に分類され単純にそれら規格を越すと「異常」というようになります。


これら異常を取り除くためには検査をうまく活用し、規格内に余裕をもって収める事が重要となります。


あくまでヒストグラムの活用法の一例ですがこのように改善を行っていきます。


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さて少々脱線してしまいましたがここでヒストグラムの特徴・使い方・見方についてまとめていきたいと思います。

ヒストグラムの特徴と使い方

【特徴と使いどころ】
・現状を把握したい時
・平均・ばらつきを改善したい時
・要因解析をする時
・結果の確認をしたい時

【どのように見ればいいのか】
・中心値の把握
・ばらつきの大小を把握
・規格内外の把握
・分布の型の把握

ヒストグラムの使用用語




ヒストグラムに使用する特に大切な用語は大きく分けて4つに分かれます。


正直、紹介しなくても言葉通りなので知ってるよって人は飛ばしてください。

  1. 区間
  2. 区間の幅
  3. 区間の境界値
  4. 区間の中心値

文字から大体の事は予想できるかと思います。しかし求め方がとても大切なのでで説明させてください。




作成方法と注意点




区間


区間というのは図でいうと四角形の分布の事を指します。


「級」、「クラス」とも言います。


区間数は一般的には「10」が妥当とされています。


確かに多すぎても逆にわかりずらいのは否めません。
求め方としては、


・区間の数=√データ数


で求まります。上述した通り一般的に区間の数は10ぐらいが妥当とされています。


QC3級は一般的な問題しか出題されません。


よってこの考え方は良くないですが選択問題で区間の数がある場合は「10」を疑うのも悪くない手だと思います。


しかし単純に「√データ数」で求まるので、演習の段階では求める癖をつけましょう。



区間の幅


区間の幅は以下のように求められます。


・区間の幅=(データの最大値ーデータの最小値)/区間の数



(データの最大値ーデータの最小値)は「範囲」とも言います。


まぁここまでなら簡単になっておりますが次からが本番となります。


「区間の幅は最小測定単位の整数倍に丸める」


これが重要ポイントです。
私は初見時「何言ってんだ。。。」状態でした。


*捕捉ですが最小測定単位は予め指定されています。


それでは例を用いて説明していきます。


(例)区間の幅を求めよ。
(区間10、最大値30.0、最小値25.6、最小測定単位0.1)


上記例題を求めると、

区間の幅=(30.0-25.6)/10=0.44

最小測定単位を考慮すると、

区間の幅=0.4となります


????????「何言ってんだ?」この反応が正常です。


例えば最小測定単位の整数倍とは0.1を例にして解説しますと、
0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7
これが0.1の整数倍です。


今回仮の区間の幅は0.44なので0.4or0.5が近い値となります。


この時優先されるのは値が近い方、よって0.4が答えとなります。


これは中々参考書などには解説がないのでしっかり理解することを勧めます。


区間の境界値


区間の境界値には下限境界値と上限境界値があります。


第一区間の下限境界値を最初に求めることにより、そこに区間の幅さえ足していけば全区間の値が求められます。


第一区間の求め方としては、以下に示す通りです。


第一区間の下限境界値=最小値ー(測定の刻み/2)


ここでいう測定の刻みとは最小測定単位の事で、例えば最小測定単位が0.1の場合は、最小値から0.05を引いた値が第一区間の下限境界値となります。


この基準(第一区間の下限境界値)に区間の幅を足していくことにより、第一区間の上限境界値、第2、第3と連鎖的に求めていくことが出来ます。


ここでの重要ポイントとしてはやはり


・測定の刻みを2で割る


上記を忘れないことです。


実際に第一区間の下限境界値を求める問題でも「2で割った値」と「2で割らなかった値」が選択肢に含まれています。


ここを間違えてしまうと他の区間の値も回答がずれてしまうので注意が必要です。



区間の中心値


その名の通り区間の中心値の事を指します。求め方としては、


・区間の中心値=(下限境界値+上限境界値)/2


で求めることが出来ます。
ここは難しいことは言ってないので計算ミスだけはしないようにしましょうとだけは言っておきます。




ヒストグラムの種類


ヒストグラムは測定された結果によって5つの形状に大別されます。


・一般型
・離れ小島型
・絶壁型
・歯抜け型
・ふた山型





一般型


工程が管理された状態を表しています。よく見るメジャーなヒストグラムです。
釣り鐘型とも呼ばれています。



離れ小島型


原材料などに少量の異なる種類のもの、異物が混入されている事を示すヒストグラムです。似ているもので「ふた山型」があるので注意しましょう。



絶壁型


規格値を越したものをが発見されたとき、その部分を取り除いたときにできるヒストグラムです。名前通りなので間違えずらいです。



歯抜け型


明らかにおかしいでこぼこしたヒストグラムです。
  • 区間分けがが適切ではないとき
  • データ数が少ないとき
に起こります。
3級ではこの2つと名称を押さえておけば問題ないです。



ふた山型


ピークが二つあるヒストグラムです。離れ小島と少し似ていますが、比較すると

  • ふた山型はデータが連続的
  • 離れ小島は完全に少数データが独立

と覚えておきましょう。
ふた山型が起こる理由として、2つの異なる平均値(2種類の原料など)の分布が合わさったときに生じます。


この原因を追究するためには「層別」を行う必要があります。


試験でヒストグラムの種類選択の問題で「層別」と記述されていたら、真っ先にふた山型を選択しましょう。

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ヒストグラムとQCストーリーの関係




QCストーリーは問題解決を手順化したもので、8つのステップに分類され、ヒストグラムが適応されるステップは「現状把握」「効果の確認」「要因の解析」です。


特に現状把握・効果の確認としての期待が大きくなっています。



この2か所で活用するのがヒストグラムであり、QCストーリーの根本的問題を把握することは勿論、異常発生の確認がスムーズに行われます。


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まとめ


・区間の数=√データ数

・区間の幅=範囲/区間の数

・最小測定単位の整数倍の計算に注意

・第一区間の下側境界値=最小値ー測定の刻み/2

・一般形=釣り鐘

・離れ小島=独立したデータ

・絶壁型=規格値外削除

・歯抜け型=区間管理が不適切

・ふた山=「層別」


いかがでしたか?
QC7つ道具の「ヒストグラム」について述べさせていただきました。


図の種類も複数あり、計算式もたくさんあり後回しにしてしまいがちですが、確実に出題されますので、対策は怠らないようにしましょう。


次回はQC7つ道具の一つである「散布図」についてご紹介いたします。それでは!

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