データとはひとくくりに言っても重さや長さと不適合品数は属するデータが異なります。
データには品質特性を表すものや、単位を表すものなど様々であり、意外とあやふやになりがちです。
そこで今回の記事はデータのとる目的から計量値・計数値の違い、母集団やサンプルについてまとめてみました。
目次[非表示]
事実に基づく管理
はじめに、そもそもなぜデータを取るのかというところから触れていきたいと思います。
データとは?
品質管理における統計的手法よりさらに基礎的なもの
品質を管理するうえでは統計的手法を用いる事はとても重要ないちず位置づけとなっています。
それよりもっと根本的なものがデータとなります。
例えば料理で例えると以下のようになります。
・品質管理 =料理
・統計的手法=チャーハン
・データ =米
もっといい例えがあるかもしれませんがふと浮かんだのがチャーハンでしたので例にしました。
本題に戻ると、品質管理において統計的な考え方というのはとても重要になってきます。
何故かというと品質というのは必ず何かしらのばらつきが生じ、それが基準や規格を越してしますと、欠陥品、異常品となります。
この異常品などを押さえるために、根本的なばらつきに着眼、つまりばらつきをデータからその裏に潜む規則性などを発見するために統計的手法は欠かせないものとして扱われています。
統計的品質管理
統計的手法を利用した品質管理を行うこと
データのとり方
データには大きく分けて二つのデータがあり、「数値データ」と「言語データ」に分類されます。
さらに数値データは二種類の値に分類されます。
数値データと言語データの違い
身近な例として、以下が挙げられます。
掛け時計 :(アナログ時計【計量値】)
目覚まし時計:(デジタル時計【計数値】)
掛け時計(アナログ時計【計量値】)は絶え間なく一定に、絶え間なく動くことにより時間の経過を表しています。
一方目覚まし時計(デジタル時計【計数値】)は数値を一定に(一分単位)の間隔で表示します。
掛け時計は(アナログ時計【計量値】)連続する「秒間」は表現できませんが、掛け時計(アナログ時計【計量値】)はその間も秒針が動いており、絶え間なく時間を表現します。つまり連続量を示します。
QC7つ道具・新QC7つ道具と数値データ・言語データの関係
さて品質管理に携わるうえではQC7つ道具と新QC7つ道具はぜひ活用したいツールですね。
そこでQC7つ道具・新QC7つ道具・言語データ・数値データについて関係をまとめておきます。
つまり数値を用いてグラフで表す「QC7つ道具」は数値データ。
手段やアプローチを表す「新QC7つ道具」は言語データ。
という事になります。
数値データの種類
数値データには「計量値」と「計数値」に分類されます。
図に示したようにデータは数値データと言語データに分類され、さらに数値データは「計量値」と「計数値」に細分化されます。
計量値
計量値
連続的数を取り得る品質特性の値
つまり単位のあるものが計量値となります。
単位の例として、
・重さ「kg」
・長さ「m」
・時間「h」
などが挙げられ、簡単な覚え方としては良く数学の教科書などで出てくる単位と覚えておけば間違えないかと思います。
よくある単位の組み合わせとして、
・計量値÷計量値「kg/m」
・計量値÷計数値「kg/数」
・計量値×計量値「N/m」
などが挙げられ、よく現場などでも見かけるものとなっています。
計数値
計数値
不連続的な値しか取り得ない品質特性の値
つまり数えられるデータが計数値となります。
適応される例として、
・不適合品数
・欠点数
などが挙げられ、簡単な覚え方として「0、1、2、3、、、と数が数えられる」ものが計数値と覚えておきましょう。
よくある単位の組み合わせとして、
・計数値÷計数値「個/人」
・計数値÷計量値「異常点/m2」
最後にデータに関しての関係性を示す図を載せておきます。
数値データの重要性
ものづくりにおいて言語データと数値データどちらが大切かといわれれば間違いなく数値データに軍配が上がります。
何故ならものづくりは数値で語る事で信頼が得られるからです。
数値データを思い込みや先入観というのを払拭し、事実を客観的に「見る」ことが出来ます。
3つの見える化 ・どんな人にも例外なく「見える」
・今までの軌跡が「見える」
・今後何をすべきか「見える」
この見える化を達成する為には、以下の事が重要です。・今までの軌跡が「見える」
・今後何をすべきか「見える」
数値や図・グラフを用いて「根拠」を示す
この根拠を示すためには数値データによる正確な情報を集めて、この「生データ」の不良やばらつきなどを算出します。
その後視認しやすくするためにグラフや図を用いて示すことで「新たな何か」を発見することに繋がります。
検査と計量値・計数値の関係
計量値と計数値は検査における判定方法にも違いがあります。
判定方法で分類する検査では以下の3つが挙げられます。
・計数値抜取検査
・計量値抜取検査
・官能検査
この記事では官能検査の説明は控えて「計量値抜取検査」「計数値抜取検査」について詳しく見ていきます。
計数値抜取検査
【計数値抜取検査とは】
不適合数をカウントして判定する
不適合数をカウントして判定する
詳しく説明すると、ロットからサンプルを採取して、対象のサンプルにおける不適合品の数や、欠点数などの不適合数が基準以内ならロットを合格とし、基準外なら不合格とする方法です。
計量値抜取検査
【計量値抜取検査とは】
測定値を参考に判定する
測定値を参考に判定する
ロットからサンプルを採取して、そのサンプルの長さ・厚さ・重さなどの特性値を測定し、「平均値」「ばらつき」などが条件に合っていればロットを合格とし、合わなければ不合格とする方法です。
計量値・計数値抜取検査の違い
計量値抜取検査と計数値抜取検査の違いについて図を用いて解説していきます。
上の図は、各データごとに「適合数」「不適合数」「平均値」「標準偏差」についてまとめた図になります。
この図から読み取れることは計数値と計量値の活用の仕方で見え方が全く異なることです。
まず第一に計数値抜取検査を行うことで単純に合格か不合格かが把握できます。
一方計量値抜取検査はデータの詳細を把握する分には貴重な情報ですが、簡易的に「合格」「不合格」の判定が出来るかと言えば答えはNOです。
しかし計数値抜取検査のみで判断を下せばいいのかと言えばこちらも答えはNOです。
データ1とデータ2の比較を行ってみると、「合格」「不合格」の数はともに同じですが、データ間のばらつきを見てみると大きな差があることが分かります。
またデータ3は不適合数は0ですが、ばらつきを見てみるとデータ1と同様の値を示していることが分かります。
つまり計量値・計数値を共に活用しあうことで一方では見れない真の事柄を把握することが出来ます。
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データを取る目的
そもそもなぜデータを取るか皆さんは説明できますか?
データを取るという行為は、母集団・サンプル・データ・統計量・処置などが支えあって構築されています。
この時、母集団・サンプルの意味は以下のようになります。
母集団
ー母集団とはー【JIS Z 8101】
サンプルから処置を取ろうを取ろうとする集団
サンプルから処置を取ろうを取ろうとする集団
つまりデータの対象となる集団の事を指します。
母集団というのは単位体と単位量で母集団の大きさを示します。
単位体
個数単位で数えられる物の一つ
単位量
集合体を構成する物の一定量
またこれら二つの大きさによって母集団は以下の二つに分けられます。
無限母集団
大きさが無限であるとされる母集団
例としては工程は無限母集団に分類されます。
工程は製造能力の影響を少なからず影響を受けるから有限母集団と思われがちですが、視点を変えると製品は無限に製造することを出来るため、無限母集団に属しています。
有限母集団
大きさが有限である母集団
出荷検査などの製品ロットは大きさに限界があるため、有限母集団に属しています。
サンプル
ーサンプルとはー【JIS Z 8101】
母集団から、その特性を調べる目的をもって取ったもの
母集団から、その特性を調べる目的をもって取ったもの
母集団からデータを取ることをサンプリングといい、サンプリングの目的としては以下になります。
サンプリングの目的
サンプルによって母集団の情報を得ることで、母集団に対して何かしらの策を講じる事
この母集団のありのままの姿をより正確に再現するために、一定のサンプリングではなく、ランダムサンプリングが重要になってきます。
ランダムサンプリングはさらに5つに細分化することが可能です。
層別サンプリング
母集団をいくつかの層に分類し、その各層ごとからサンプルを採取する方法。二段サンプリング
段階を踏んで複数回サンプルを採取する方法。集落サンプリング
いくつかに分類した副ロットでサンプルを採取する方法。系統サンプリング
空間的・時間的に一定間隔でサンプルを採取する方法単純サンプリング
母集団全体からランダムにサンプリングする方法これらの事よりデータを取る目的は以下のようになります。
データを取る目的
サンプルについての詳細データを得る事、そのデータを活用して母手段に処置行動をとる事
データを取る際はデータの使用目的をきちんと明確にすることが大切です。
役にたつデータを採取できるよう「問題点・改善点を見つけるため」「記録に用いるため」などきちんと明確にしておきましょう。
まとめ
データは言語データと数値データに分類され、用途が大きく異なる
サンプリングの対象は母集団である
いかがでしたか?
今回は計量値と計数値の違いについてまとめてみました。
次回は平方和についてです。それでは!
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