シューハート管理図のルールを徹底解説! 工程異常の見つけ方とは?~QC検定攻略~

2019年10月4日金曜日

QC検定

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皆さんは管理図を活用するときのルールを知っていますか?


ものづくりにおいて工程に異常がないか把握することはとても重要なことは勿論、異常が起こらない様に管理することも大切となります。


その工程を維持管理するのに役立つツールが「管理図」であり、その管理図にはルールが設けられています。


そこで今回の記事では「管理図のルール」と「管理図の異常判定」についてまとめてみました。


最後にQC検定の攻略も書いているので興味ある方は目次から最後のページに飛んでください。



管理図の見方





管理図の見方に入る前に一度管理図の目的をおさらいします。


管理図の目的として以下2つの目的があります。


1、工程が安定状態にあるか調査する
2、工程を安定状態に維持・保持する


これらを折れ線グラフで表した図を管理図と呼びます。


1、の「工程が安定状態にあるか調査する」というのを要約すると、

「規格限界」

を見つけることが出来ます。つまり単純に、


規格内なら「合格」
規格外なら「不合格」


というのを示しています。


2、の「工程を安定状態に維持・保持する」というのは、

「管理限界」

を維持することが出来る。というのが管理図の目的でした。


さてここからは本題の管理図の見方に移っていきます。
工程が安定状態にあるかどうか判断するには以下の二つの基準があります。


  1. プロットした点が管理限界線の外に出ない
  2. 点の並び方に癖がない


1はすぐにご理解いただけるかと思いますが、2は???ですよね。
2は後半の管理図のルールにて述べていきます。

またこれは覚えなくてもいいですが、

管理限界線 ≠ 規格値線

ということです。
規格値線は製品の合格・不合格を判定するためのものです。一方管理限界線は工程が安定状態にあるかの判定のものです。間違えないようにしましょう。


管理図の基本についてもう少し詳しく知りたい方は是非↓↓↓

QC検定3級の管理図を徹底解説。山場の管理図は必ず理解すべき



管理図における二つの誤り




統計を用いて管理を行うとき、常に二つの誤りを犯す危険があります。


・第一種の誤り
・第二種の誤り


この事から、管理図も100%を保証するものではないということが分かります。




第一種の誤り(α)


第一種の誤りとは別名(慌て者の誤り)とも言います。これはどういったことかというと、

「異常が発生していないのに異常が発生した」

と判断する誤りの事です。いやいや、管理図しっかりしろよって感じですよね(笑)


それはさておき、一般的に管理限界線はは管理特性分布の標準偏差の3倍のところに設定しています。これは特性値が正規分布に従うとき、管理限界線から外れる確率が、0.3%あるということです。

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つまり第一種の誤りを犯す確率が0.003%あるということになります。
勘弁してくださいよ。。



第二種の誤り



第二種の誤りとは別名(ぼんやりものの誤り)と言います。これはどういったことかというと、

「異常が発生しているのにそれを見過ごす」

という誤りです。第一種は間違っていると見せかけて実際は大丈夫という落ちですが、こちらはしっかりと間違っているのにも関わらず正常という判定が出ます。


管理図さん。しっかりしてください。


そもそもなぜ工程が安定していない異常判定なのにこういった事態に陥るかというと、データが管理限界線の内側に入っているために、工程が安定していると判断してしまいます。




シューハート管理図の8つのルール



皆さんはこの管理図を提唱した人をご存じですか?


ここで紹介しております管理図はアメリカの「シューハート」さんというアメリカの経済学者が先駆者です。


本名の「ウォルター・A・シューハート」から名前をとり、


シューハート管理図


と呼ばれます。


このシューハート管理図には8つの異常判定のルールというものがあります。


管理図の上方管理限界線~下方管理限界線の間を6つの領域に分けます。


その領域を以下の順番に分類して行きます。


  1. 上方管理限界線
  2. A
  3. B
  4. C
  5. 中心線
  6. C
  7. B
  8. A
  9. 下方管理限界線


さてここからは図を用いてそれぞれのルールを解説していきます。


ルール1




ルール1は

1点が管理限界線(上・下問わず)の外にある場合に「異常」と判断する

とされています。
これは管理限界線の意味さえしっかり理解していれば常識ですね。





ルール2




ルール2は

長さ9以上の連が現れた時に「異常」と判断する。


ちなみに「連」とは
中心線の一方側に連続して現れた点の並びの事を言います。
その点の数を連の長さといいます。



ルール3



ルール3は

6点以上連続して上昇または下降する場合に「異常」と判断していく

一定の方向のみへの傾向がある場合は異常と疑いましょう。



ルール4




ルール4は

14の点が交互に増減している場合に「異常」と判断する



ルール5




ルール5は

連続する3点中2点が領域Aまたはそれを越している場合に「異常」と判断する

ルール1もそうですが、これらに共通しているのが管理限界線付近は「異常」と判断されるようですね。



ルール6




ルール6は

連続する5点中、4点が領域Bまたはそれ以上の領域に存在する場合に「異常」と判断する

領域AのみならずBまで以上とは、、
Aと比較して判定は厳しいのが違いといえますね。



ルール7




ルール7は

連続する15点が領域Cに存在するとき「異常」と判断する

私は勉強初めたての頃、
「えっこれ中心近いから絶対異常じゃない!」
ておもってました(笑)



ルール8




ルール8は

連続する8点が領域Cを超えた領域にある時「異常」と判断する

たしかにこれは少し怪しい形していますね。
この内容を知らなくても得点できそうです。



QC検定のシューハート管理図攻略




さてここまでは管理図のルールなどについて述べていきましたがいよいよ攻略に入ります。


丸暗記できるに越したことはないんですけど、いちいちシューハート管理図覚えていられないですよね。そこでこの範囲で本当に大切なことは以下に厳選させていただきました。



1、
管理限界線は管理特性分布の標準偏差の3σ

2、
点にの並びに傾向があったら「異常」と疑う

3、
管理限界線を越しているのは100%異常


それでは解説していきます。


まず1に関してですが、シンプルに穴埋め問題で出題しやすいからです。
問題で実際に以下の問題が出たとします。


標準偏差の( )σ

ア.1 イ.2 ウ.3 エ.4 オ.5


知っている人であれば一瞬で回答できますが、勉強不足の方はどうでしょう。


恐らく手が止まる方は少なくないと思います。


運営側もこう言った単純だけど記憶があやふやな問題はひっかけやすいので出しやすいと考えられます。


ですのでここはしっかり押さえときましょう。


2、3に関してですが、3、は言うまでもないですね。しかし普通に問われるので確実に正解しましょう。


2、は問題としての出題のされ方は、複数の管理図と複数の異常原因の結びつきを問われます。


シューハート管理図の8つのルールのようなことは問われず、
もっと単純に、


「周期的に群間変動が大きくなる」

「変動がシフトしている」


といったすごい大雑把な感じの選択肢を設けられます。なので点が何個だからルール〇で異常みたいな感じではなく、明らかに異常と分かります。


なのでここは気楽にいきましょう。
最後に念のためにシューハート管理図をまとめておきます。




まとめ


・点の並びの傾向を見る

・管理限界線を越したら100%異常

・標準偏差の3σ

・シューハート管理図は覚えなくてもいい


いかがでしたか?
今回は管理図の最終章として管理図のルールについてまとめました。
管理図が出題されたら点の傾向は要チェックです。


次回は工程能力指数についてです。それでは!

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