皆さんはOODAループという言葉をご存じでしょうか。
最近よく耳にする事が多くなってきており、「PDCA」より「OODA」など様々な意見が飛び交っています。
OODAループとは簡単に言うと組織が世界情勢に的確かつ迅速に対応するための一種の戦略です。
本記事では初めて「OODA」について知った人でも理解できるようにOODAについて意味やメリット・ポイントを具体例を用いて分かりやすく解説していきたいと思います。
OODAループとは
OODAループとはあらゆる分野で活用される戦略理論の事を指します。
そもそもこのOODAループの起源はどこからかというとアメリカ発祥の思考法となります。
この思考法はビジネスの関連した事柄ではなく、もともと朝鮮戦争における空中戦を元にした研究から生み出されました。
【OODAループとは】
朝鮮戦争における空中戦を元にアメリカの軍事戦略家であるジョン・ボイド氏が考案した、先が不透明な状況下でも成果を出すための戦略理論
朝鮮戦争における空中戦を元にアメリカの軍事戦略家であるジョン・ボイド氏が考案した、先が不透明な状況下でも成果を出すための戦略理論
この戦火の中で大切な事は何か?と問われたら当時のジョン・ボイド氏はこう語るでしょう。
「瞬時に物事を把握し行動に移すこと」
つまりどんな環境・状況下の中でも「的確に状況を把握・理解し、それを迅速かつ確実に実行する事がOODAループです。
過去にはこのような戦火で誕生した戦略理論であるOODAループの現在は、移り変わっていくビジネス環境に対応するための戦略理論に変貌を遂げました。
OODAループの4つのステップ
さてOODAループというのは具体的にどのようなループの事を指すのでしょうか。
OODAループとは以下の4つの意味の頭文字を集めた総称であり、これら4つの思想プロセスを回していく事を指します。
観察(O:Observe)
情報収集を行う
理解(O:Orient)
方向性の決定
決定(D:Decide)
最善策の決定(仮説)
実行(A:Act)
最善策の実行(形)
これら「観察」「理解」「決定」「実行」の4つのステップを回していく事をOODAループといいます。
それでは具体的にこれら4つのステップはどのように回していくのでしょうか?
ひとつずつ見ていきましょう。
Observeとは?
OODAループの「Observe」は情報収集を行う事、つまり観察を行うことを意味します。
例えば以下の事が適応させます。
・市場の変化を的確に察知する
・顧客ニーズを把握する
つまりこれから何をすべきか、本質を見抜くことを指します。
具体例としては今流行りのyoutuberを例に挙げてみます。
彼らは一日一本の動画を挙げる事をノルマにしている場合が多く、日々ネタ探しに没頭しています。
時には視聴者から批判を受けたり、ネタ切れを起こしたりすることでしょう。
そんな時彼らは何をするか。答えはSNSの活用です。
Twitterなどを活用し視聴者からの意見に耳を傾ける事は勿論、エゴサーチ(略称エゴサ)を行い自身の誹謗中傷を探ったりします。
一見、誹謗中傷というのはマイナス面に働いていると思われがちですが、SNSなどの媒体を介してのこれらは寧ろネタの提供であり、視聴者が自身に何を求めているのか把握する事が出来るのでむしろプラスに働いています。
つまり時にはSNSなどの情報源を探ることで真に顧客が求めているニーズを見抜くことが可能となります。
Orientとは?
OODAループの「Orient」は方向性の決定をする事、つまり物事を理解することを意味しています。
ステップ1の「Observe」で行った、顧客ニーズの情報収集を終えたら、次はどのような戦略を練っていくか、まだばらばらな「行動方針」を頭の中で構築していきます。
この時重要なのは自分がやりたいことを形にしていくのではなく、相手目線になって行動をし「形」にしていく道筋を立てる事が重要となります。
ここでも分かりやすくyoutuberを例にしてみます。
彼らは○○系youtuberのように属する枠組みがあり、その特性に惹かれて視聴者さんは増えてきます。
先ほどエゴサによる顧客ニーズの把握を行ったので情報というのはある程度そろっています。
その中には大多数が求める正統派な意見から、ごく少数の刺激を求める過激派までいます。
動画作成者側は本当はとても過激な動画を作っていきたいと思っていたとしたら、語句少数派の意見を真に受けるべきなのでしょうか。
これらすべての意見を形にしていくのが良いのかと言われれば違うことは皆さんお分かりかと思います。
つまり単に顧客ニーズを形にしていく行動方針を決定するのではなく、真の顧客ニーズの絞り込みを行っていきます。
しかしここはあくまで仮説段階なので、具体的な絞り込みはすべきではないですが、「それは+かーかの選別」は最低限しておきましょう。
Decideとは?
OODAループの「Decide」は仮説の絞り込み、つまり方向性を決定することを指しています。
この方向性の絞り込みは数ある選択肢の中から、直観的に判断をするのがOODAループでは良いとされます。
OODAループは瞬時に物事を把握し行動に移すことであり、ここの方向性の決定が遅れれば遅れるほどこのループの効力が薄れてきます。
情報収集に時間をかけすぎたり、いつまでたっても判断を下せない事例が当てはまる場合、OODAループの導入をすべきでしょう。
Actとは?
OODAループの「Act」は行動する事、つまり前章で決定した方向性を形にしていく事です。
この時の行動は失敗を恐れず大胆に行動を起していきましょう。
この実際に行動するという行為はリスクがつきもので、慎重派の多い日本人からしたら、かなりの苦行になることは間違いないです。
しかしこのOODAループは海外では当たり前のように導入されており、日本の成功している一流企業たちも現在追従しています。
これは大手だから、有名だからではなくOODAを意識した結果、今も世界で戦えていると考えられます(もちろん土台がしっかりしているというのは一つの要因である事は間違いないですが)。
重い腰を上げて、時には行動することも重要であり今の日本社会には足りない一面だと常々思います。
もし行動が失敗した場合には一番最初の「観察」に戻り、現状を見直す必要があります。
あえて振り出しに戻ることで固定概念を払拭し、今まで気づかなかった気づきに巡り合う可能性があります。
OODAループとPDCAサイクルの違い
それでは本題のPDCAサイクルとOODAサイクルの違いについて触れていきたいと思います。
OODAループとPDCAサイクルの違い
OODAループは想定外の事に迅速に対応していく一連の流れであり、PDCAサイクルは継続的な改善活動を目的としている維持管理・改善の活動
OODAループは想定外の事に迅速に対応していく一連の流れであり、PDCAサイクルは継続的な改善活動を目的としている維持管理・改善の活動
OODAループとPDCAサイクルどちらが適応されているか?と問われたら大多数がPDCAサイクルと答えるでしょう。
それは日本の古くからの体質でPDCAを回してきた結果が今の日本であり、高品質のものを作り上げてきました。
日本は今も昔も、そしてこれからも「ものづくり」大国であることは間違いないでしょう。
なのでPDCAサイクルを回すというのは日本の風土に合っており今後も活用させていくサイクルです。
また製造業だけでなく、幅広い業務においても継続的な改善を目的とした手法として多くの分野で取り入れられています。
PDCA・SDCA・PDCASサイクルを具体例と体験談を用いてわかりやすく解説
皆さんは働くうえでどのように維持管理を行っていますか? 常に目標を設定し問題を解決していく事を繰り返すことで、高い水準の管理活動を維持することに繋がります。 そこで今回は維持管理の基本である「維持管理と改善」「PDCA・SDCA・PDCAS」についてまとめていきます。 前回の記事で顧客満足についてまとめています。興味ある方は是非↓↓↓ ...
しかし変わりゆく現在の世界情勢・想定外の事態に関してはこのPDCAサイクルでは対応が遅いとされています。
そこで今注目されているのが、予想外の事態にも臨機応変に対応する事が出来るOODAループです。
柔軟な考えを持ち合わせ、予想できない状況下で最善かつ迅速に行動をし何かしらの「形」を得る事を目的としています。
とりあえず考えのもとに何かしらのアクションを起こし、何かしらのリアクションを得る。そしてそこで学んだ事を取り入れて再びループに入る。この一連の流れがOODAループの真骨頂です。
これらの事よりまとめると、PDCAサイクルは「決められた環境の中でいかに効率的かつ安定に効果を継続して出していくか」に焦点を当てているのに対して、OODAループは「不透明な状況下でいかに最善かつ迅速に対応し、何かしらの「形」を手に入れるか」がこれら二つのサイクルの違いとなります。
本当に大雑把にまとめると、守りのサイクルがPDCA、攻めのサイクルがOODAということになります。
ここまでの説明では巷で噂される「PDCAサイクルはオワコン」と同じようにとらえられるかもしれません。
しかしPDCAはれっきとした維持改善のサイクルであり、無くてはならないルーチンです。
それではどちらを選択して活用していくのか。
ではなくどちらも活用していく事、組み合わせて使っていく事で、お互いの弱みを支えあって最強のサイクルが生まれます。
PDCAとOODAを組み合わせとは?
OODAループとPDCAサイクルを大雑把にまとめると「攻・守」に分類されると先ほどお伝えしましたが、これらの対なる関係があるという事は、お互い弱みも存在します。
【PDCAサイクルの弱み】
ニーズの移り変わりが速い環境、想定外の事が多く起こる環境に対応できない
【OODAループの弱み】
個人・リーダーの裁量に依存しループ自体も単純ではない
ニーズの移り変わりが速い環境、想定外の事が多く起こる環境に対応できない
【OODAループの弱み】
個人・リーダーの裁量に依存しループ自体も単純ではない
PDCAサイクルはこの記事で何度もお伝えしてきたOODAループの強みがそのまま弱みになっております。
今の時代とPDCAの弱みの浮彫が顕著になったためOODAループが注目されたので当たり前といえば当たり前ですが。
一方OODAループは如何に動向を正確に把握し観察した結果を形に出来るかなので、最初の観察・把握能力がないとOODAループの効力は極端に低下します。
その点PDCAはじっくりと計画を練ってから行動を移すのでサイクルの大掛かりな失敗というのはあまり巡り合うことはないです。
そのためPDCAサイクルを回す前にOODAループを行うことで、想定外の事態にも対応できるようになるとともに、そこで察知したニーズを元にPlanを行い、ニーズに合ったPDCAサイクルが回すことが可能となります。
これら二つを組み合わせる事は難しいですが、理論上「OODA×PDCA」は隙が無く、これからの社会を先どって行くために、これら二つの併用を検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
・OODAループは4つのステップから構成されており、不透明な状況下でも臨機応変に対応できる戦略的思考法。
・OODA×PDCAは隙が無いサイクルの組み合わせ
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